爬虫類革から印傳へ――変革期の一コマ

前川印傳が爬虫類革製品から印傳へと軸足を移したのは、ブランドにとって大きな変革期でした。この写真は、その時代の実演風景を切り取った一枚です。写真に写っているのは初代前川昭太郎。職人歴50年を迎えた記念として撮影されました。

初代が築いた爬虫類革製品の基盤

創業から長らく、前川皮革工芸はオーストリッチやワニ革を使った鞄や財布を中心に製作していました。その滑らかな質感と美しい仕上がりは、昭太郎の熟練した技術の賜物でした。百貨店での販売を通じ、多くの顧客に愛されていたこれらの製品は、当時の高級品の代名詞とも言えるものでした。

二代目が切り開いた新たな道

やがて時代が変わる中で、二代目前川典央が「印傳」という素材と出会います。鹿革と漆で模様を描く伝統技術に魅了された典央は、この素材が持つ可能性に気づきました。そして、日本の文化や伝統をより強く感じさせる製品を作るため、ブランドの方向性を少しずつ印傳へと移していく決断をします。

変革期を物語る一枚

この写真には、初代昭太郎が手がけた爬虫類革製品が並ぶ中、新たに導入された印傳製品も見えます。爬虫類革の滑らかな鞄と、印傳の繊細な模様が同じ空間に存在している光景は、ブランドが次の時代へ進もうとしていた過渡期を象徴しています。

現在へ続く挑戦の精神

爬虫類革から印傳への転換は、単なる商品展開の変化ではなく、ブランドの未来を見据えた重要な選択でした。初代昭太郎が築いた職人技術と品質へのこだわりは、印傳製品にも深く根付いており、今も前川印傳の製品に息づいています。

読みもの

— 前川印伝を、読んで、知る。

商品カテゴリ

— 四季に合わせた伝統の和柄の数々